理事長あいさつ


戦時中、軽井沢に疎開、6歳まで軽井沢で過ごす。

軽井沢には当たり前のように森があり野生動物が住んでいましたが、自然の恵みや大切さを意識することはありませんでした。

経済至上主義を当然とする時代を東京で過ごす。

小学校入学を機に帰京、戦後の復興を願って、経済優先の生き方が当然のような時代でしたので、そのことに全く違和感もなく、がむしゃらに生きる日々でした。

衝撃的だったリオの環境サミット

1992年リオで開催された地球環境サミットで、持続可能な発展ーSustainable Developmentー をキーワードとするアジェンダ21や生物多様性条約などが国際間で取り決められたとの報道に目 がさめるようなショックを受けたことを昨日のように覚えています。 
折しも、エアコンに起因するシックビルシンドロームが社会問題となり、屋内空気環境対策ー Indoor Air Qualityーに関わる事業を立ち上げたばかりだったので、リオサミットに「志の連帯」 の大切さを知り、「空気に国境なし、取り戻そうおいしい空気と青い空」とのスローガンを掲げ て国際スタンダード作りや法の整備に微力を尽くし一定の成果をあげました。

第2の故郷、軽井沢に移住し自然環境保護活動を目指す

夏には毎年軽井沢で過ごしていましたが60歳で移住し、縁が深かった旧軽井沢を裾野に抱く愛宕山の森のシンボル的存在だったシラカバが樹齢を迎え次々に倒れていく様を見ながら、無自覚に自然破壊に加担してきた自らの半生を恥、ナショナルトラスト活動によって、その森を保護保全復元することを決心しました。多くの専門家の方々のご指導のもとでの植生調査、野鳥調査、土壌動物調査などの活動を通じて生物多様性の大切さも認識させられました。皆様のご支援のお陰をもちまして、昨年末「公益法人日本ナショナルトラスト協会」の助成をいただき、約6000㎡の山頂の森を取得することができました。本年は別荘地に向けての自然保護普及啓発活動が評価され「独立行政法人環境再生保全機構」の助成事業として「鳥の巣箱設置や木登り体験シリーズ講座」もスタートします。
愛宕山の森を守ることは小さな一歩かもしれませんが、皆様と共にグレートビギニングにしたいと願っております。よろしくお願いいたします。

NPO法人愛宕山てっぺんの森を守る会
理事長 加藤正文